純粋なのは不死ばかり

文を隠すなら森。

ナイトシティは返ってくる。『サイバーパンク:エッジランナーズ』

 まさかここまで無情な結末を見せつけられるとは。たしかにゲーム本編もどのルートを選んでも失うものの大きさに驚かされたが、蛍光色でクールでバイオレントなこの物語もまた、同じ寂寞感をもたらしてくれた。これこそがサイバーパンク体験なのだと思う。Vもデイビッドも、同様にナイトシティというリヴァイアサンに飲み込まれてしまった若者達の一人に過ぎないのかもしれない。しかしBDや伝説となって、彼らの物語は私たちに引き継がれる。前日譚としてこれ以上ない脚本。そして生き残った「潜水の女神」である彼女達は再び死と夜の狭間に潜っていく。

 最初にビジュアル見た時はなんか軽いなぁと思ってしまったんだけど、主人公が学生であるという点が日本のアニメとしてここまで力強い演出に繋がっていくとは思わなかった。あと街並みが完全再現されてて最初は「ああ……俺も昔その街にいたんだよ」みたいな懐かしい気持ちにさせられるのがかなり不思議なアニメ体験でした。アニメ化企画としては満点だと思う。インタビューとか読むと脚本はポーランドで書いて、それを日本で直して、というのを二年間かけてやったらしいし。そりゃこの愛と熱量になるよ。

 個人的に6話がタームポイントというか、急転直下の事態になっていく「兄貴」が攻殻のバトーに似てて、あとグレンラガンのカミナも連想して、めちゃくちゃ辛い気持ちになりました。でもこの苦さがナイトシティを生きることなんだと思う、できることならシーズン2作って欲しいけど、難しいだろうな……