純粋なのは不死ばかり

文を隠すなら森。

ダンジョンに食べられる。九井諒子『ダンジョン飯』

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 『ダンジョン飯』、とうとう読み終わってしまった。『鋼の錬金術師』や『宝石の国』に匹敵する名作といえば伝わるだろうか。そしてこの作品を読む前の自分はそんなことは全く思っていなかった。タイトルの軽さに惑わされていて、「ダンジョン」で「飯」を食う漫画なんでしょ?とたかを括っていたらそれは「ダンジョンを喰うこと」へと変貌し、果ては「ダンジョン(世界)は何を喰っているのか?」という問いへと繋がる。この世界観がねじれて裏返ってしまう感じ、そのダイナミズムに上記二作品に通じる圧倒的な読後の"旅情"を感じた。14巻かけて歩いた、素晴らしい旅だった。

 『ダンジョン飯』自分が最も愛した二人はカブルーとミスルン隊長でした。主人公パーティと全く違う思惑を持った二人がひょんなことから出会い、一緒に道中(ダンジョン中)を旅する。恋愛描写はないが、いやないからこそ、読み手はロマンチックな友愛の関係をそこに発見するだろう。あのシーンは泣いた。

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 『ダンジョン飯』、終始このテンションで進んでいくからほわほわと読み進めてしまうんだけど、登場人物の頼もしさに反して彼らを待ち受けている運命はあまりに過酷で、後半は本当に心臓がズキズキしながら読みました……一緒に旅してきた想いがありすぎるからこそつらい。こわい。本当によかった……

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