純粋なのは不死ばかり

文を隠すなら森。

傷が容易に閉じないことの誠実さ。『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

とりあえずエムバク最高!前作にモヤモヤした人なので、王国の傷を開いていくような物語は予想外でゾクゾクした。キルモンガーについてのやり取りもやっと納得できた。でも終盤のアクションはあれなんとかならなかったのかな……中盤のチェイスシーンとか最高なのに。シュリのおてんば王女っぷりや重圧に潰されそうになる葛藤は素晴らしかった。そして新登場&再登場を果たす女性たちも全てが魅力的で堪らなかったけれど、ただ一つ、最大の推しであったオコエの行き着く先がアレって……ちょっとないでしょう。マジでカッコよくないし。大袈裟に言ってしまえば、あの躍動する美しい身体が奪われてしまった、拘束されてしまったような気さえする。あと、エンドクレジット後の展開はシュリに対してとてつもなく残酷な仕打ちなのではないかと思う。なんで最後にあんなことしたの……

あと何より、めちゃくちゃ耳が気持ちよかった。MCUを音楽映画としてみたら『ワカンダ・フォーエバー』がぶっちぎりでメロウで心地よい作品だと思う。凄惨な物語に反して、音楽は常に彼らを癒してくれる。まだ聴けてないけど、去年の『シャン・チー』のサントラと合わせてヘビロテの一枚になる気がする。