純粋なのは不死ばかり

文を隠すなら森。

死ぬことはドラマじゃない。『機動戦士ガンダムSEED』

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1月の完全新作劇場が観たくて、今年の夏からガンダムSEEDを見始めて、今はDESTINY の40話まで観た。単刀直入に言えば、SEED終盤の展開がトラウマになってしまって、ここまで感想を書くことができなかった。

富野監督以外のガンダムシリーズを観るのは『水星の魔女』以来二作目なので、SEEDを見始めた時は想像以上の恋愛濃度の高さに面食らった。まぁ20年前なので時代といえば時代なのだが、小耳に挟んでいたキラとアスランのBL的な関係性は期待していたほどは感じず、むしろアスランを中心としたクルーゼ隊の少年グループでかなり粘っこい感情を見出すことになった。推しはなんと言ってもイザークです。チームの中でアスランに噛みつく嫌なヤツポジションから徐々に中間管理職的な責任を持たされていくのが結構リアルで……本来ガンダムシリーズが得意としてそうなホモソーシャルな宇宙空間の少年版と言えばいいのか、アシッドなものに転ぶか目覚めて転向するかわからないスリリングさがとても面白かった。26話でキラとアスランの後ろで見てる三人の場面とかこっちがニヤニヤしてしまう。対してキラのチームは良くも悪くも優等生が多く、フレイは割を食っていた気もする(自分も苦手だったけど)。

そう、SEEDはとにかく濡れ場やお色気的な演出が多く、ノイズというかなんでこんなに「胸」にこだわるの……?という不可解さは終始感じた。あとイザークの次にカガリが健気で好き。真の主人公という気もする。あとはもちろんマリュー艦長の気苦労っぷり。どうしてもミサトさんを思い出してしまい、シン・エヴァのパラレルな宇宙のような気すらした。嫌いなキャラはラクスです。アスランもキラも利用されてるようにしか見えないんだよな……

そしてトラウマ場面に関してなんですが、こう書いてきたけど僕が劇中一番応援してたキャラクターはナタル・バジルール少尉だったんですよ……だからあのラストは全く納得いってなくて、なんであんなミソジニー男に凄惨な暴力を振るわれて死ななくてはならなかったのか。ナタルさんとマリューさんの女性艦長同士の正面からの艦砲戦とか、ミサイルの動きでBL感情を表現した『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』以来の超素晴らしい場面だったのにな……やっぱり彼女が死ななくてはならなかった理由がわからない。

モビルスーツやメカの描写に関してはかなり満足できました。バリア張って大鎌もってるフォビドゥンガンダムとかワクワクしたなぁ……あとなんといってもバクゥ!かわいいよね。